通信くさぶえ 1044号

台風8号の影響はほとんどありませんでした。

 大雨が続いている地域には申し訳ないのですが、台風8号の接近の際には適度な雨を期待していました。農園周辺は豪雨のあった後は暑い日が続き、あっという間に畑は乾いてきていましたので、そろそろ雨が欲しくなってきたのですが、台風8号はほとんど雨も降らさずに通り過ぎていってしまいました。

 雨風による被害がなかったことにはホッとしました。台風の影響で大きな被害が出ている所もあり、また、これまでの大雨の上に更なる雨が続いている地域もあるということです。被害に遭われた方々には一日も早い日常生活が戻ることを心より願っています。青森県や秋田県の被害状況も伝わってきましたが、リンゴ園が水没している映像などを観ると、3年前の台風19号の被害を思い出しました。長野県の千曲川が決壊して、周囲の家屋や畑など広範囲に大きな被害が出たのはまだ記憶に新しいです。日本各地で起こり得ると改めて思いました。

そろそろ秋の空気に変わっていきます。

 くさぶえ農園は、標高千メートルに近い高冷地に位置していて、お盆頃になると急に秋の空気に変わってきます。日中は厳しい暑さが続いていますが、夜は涼しくなってきています。

 野菜たちもその変化を敏感に感じているようで、キュウリやズッキーニはまだ頑張っていますが、勢いが落ちてきました。キュウリは曲がったものや尻太りのものが混じってきています。キュウリは、これからハウス栽培のものから露地栽培のものに移っていきますが、露地栽培の「初物」のキュウリが出てくるまではハウス栽培の「なごり」のキュウリを楽しんでいただけたら、と思います。

 毎年の説明になりますが、古くから日本では、同じ食べ物でもその食べ物のとれた時期や状態などにより、「初物」、「旬」、「なごり」と呼び方を区別して使い分けていたそうです。

 野菜について考えてみますと、種を播いて育ててきた野菜が大きくなり、収穫時期を迎えて最初にとれ始めたものが「初物」です。まだまだ収穫量も少なく、味もこれからピークを迎えるといった感じですが、ようやく迎えた収穫期を喜びます。そして、収穫の最盛期を迎えて、その野菜の「旬」となります。収穫量も増え、味ものってきて、その野菜の美味しさを存分に楽しむことが出来ます。次第に生育後期になっていき、収穫量も減り、形が不揃いになってきて、味も次第に落ちていきますが、その野菜を「なごり」と呼んで最後まで楽しみます。

 現在は、スーパーなどで野菜を買うことが一般的になり、「旬」の状態のものだけが並ぶようになりました。しかし、野菜を育てていると「旬」の時期はとても短いことがよく分かります。そして、「初物」を味わう喜びや、「なごり」を楽しむことがとても大切なことであることに気付かされます。これらの言葉は、食べ物を育てながら大切に食べてきた日本人の生活から生まれてきたものだ、と思います。

 くさぶえ農園では、「旬」の野菜だけでなく、「初物」や「なごり」のものもお届けさせていただきます。「なごり」のキュウリやズッキーニ、インゲン類なども状態を見ながらお届けしますので、いろいろな顔を持つ野菜をそれぞれ楽しんで味わっていただけたら、とても嬉しいです。

トマトの収量が上がってきました!

 トマトも「旬」の時期を迎えてきました。増量してお届けすると共に、「もっと、くさぶえ野菜」のトマトも入れさせていただきますので、よろしくお願いいたします!