通信くさぶえ 716号

今度は一気に雪が融けました。

 先週末はものすごく暖かくなり、辺り一面にあった雪が融けてしまいました。かなりまとまった雨が降りましたが、これで寒気が来ていたら大雪になると思うと、何事もなくて良かったです。また、日本各地で春一番が吹き荒れもしました。今年の天気はいつも以上に変化が激しいように思います。

 畑の雪も解けて、越冬している小松菜、ホーレンソウやタマネギなどが顔を出してきました。雪の下でも元気に生育しています。この寒さの中、生き抜いている姿を見ると、野菜の強さを改めて感じます。

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改めて土づくりの大切さを学んでいます。

 2年前の大雪で倒壊したハウスを再建しました。お蔭様で以前と同じように営農することが出来ています。しかし、倒壊したハウスを取り壊して回収したり、少し位置をずらして新しいハウスを建設したりする中で、軽トラやトラクターがハウスの敷地内に入ったり、多くの人が出入りしたりしてきました。そのため、ハウスの土は固く締まり、土壌の団粒構造もかなり失われてしまったようです。

 再建した後、ハウス内での栽培は以前と同じようにはいかない所もあります。土が締まって団粒構造が失われてしまったため、根が広く深く張れず、必要な肥料分を十分に吸収することができない状況だと思います。吸収しやすいチッソなどを優先して吸収してしまい、しっかりとミネラルを効かすことができません。その結果、作物の繊維が弱く、表皮が薄くなってしまいます。細胞膜や表皮が薄いと、作物のにおいがもれ出しやすくなるため、そのにおいに害虫が引き寄せられてきてしまいます。病原菌も作物内に押し入りやすくなってしまいます。

 再建後、太陽熱養生処理を行ったり(詳しくは通信687、699号などを見てください)、作物を栽培していく中でかなり土壌の状態は良くなってきていると感じていますが、まだ土壌の団粒化が不十分な所もあるようです。

 お届けしているホーレンソウに虫害が多かったり、小松菜の葉が黄化してきたりしているのも、土壌の状態が起因しているのだと考えています。見た目は悪いですが、味はいいと思いますので、お届けさせていただきます。

 これからの栽培で、太陽熱養生処理を行ったり、堆肥や木材チップなどを施用したりする中で、ハウスの土壌改善は少しずつ進んでいき、作物の生育が良くなっていくことを期待しています。

 再建ハウスから、改めて土づくりの大切さを学んでいます。