通信くさぶえ 415号

初霜が降りました。

 先週21日、気温は2度まで下がり、平年より5日遅く、初霜が降りました。最近は朝も5時台はまだ暗くて、早朝作業が減ってきましたし、夕方も5時を過ぎると寒いし、暗くなるし、もうすぐ冬が来ることを肌で感じています。畑では秋冬野菜が大きく育ってきています。周りの木々は少しずつ色づき始め、稲刈りが終わった田んぼが増えてきて、その遠方には山腹が紅葉に彩られた浅間山を見ることができます。

 これからタマネギの植え付け、ハウスに水菜やレタスの植え付けをしていきます。11月に入ると、冬の間の野菜を貯蔵する作業が始まっていきます。

水菜や壬生菜をお届けしていきます。

 水菜は、鍋物や漬け物、炒め物、サラダなどに幅広く利用されている京野菜です。壬生菜は水菜の変種で、関西では水菜より壬生菜の方が好まれると聞いています。どちらも同じような食べ方が出来ます。露地の水菜や壬生菜が大きくなってきました。いろいろとご活用ください。葉がしんなりしていたら、一度冷水に漬けて、パリッとさせてから調理してみてください。

農家に対する戸別所得補償について・・・

 先日、NHKのクローズアップ現代で農家に対する戸別所得補償について取り上げていました。なかなか全容が明らかになってこない本制度ですが、興味深く見ていると、国谷アナウンサーと赤松農林水産大臣の話がかみ合っていなかったので、通信で取り上げてみようと思いました。

 戸別所得補償は、民主党が農業再生の切り札として全国の稲作農家を所得補償しようというものです。来年度成立を目指して、3,400億円の予算を計上しています。本制度を将来的には野菜などの他の農業や漁業にも広げていく考えのようです。

 フランスなどでは既に農業政策の中心となってきた制度ですが、民主党の言うように日本の農業が再生する、本当にそんな夢のような話が実現できるのでしょうか?

 番組では本制度についてその背景を説明しながら、問題点を3つ提起していました。

 

 近年、日本のコメ政策は1970年から始まった減反政策が行き詰まってきました。さらに、1990年代にコメ取引の自由化が始まると、米価が下がり続け、60kg当たり23,607円(1993年)からおよそ3分の2の16,099円(2008年)になっていきました。

 戸別所得補償という考え方は、農産物の貿易の自由化を背景として生まれてきました。今までの減反を行って生産調整をして、農産物を高値に設定し、農家の収入を確保するという価格支持政策から、貿易の自由化による価格下落の損失を農家に直接補償しようという直接支払制度へ大きく転換しようというものです。

 しかし、減反制度は維持しながら戸別所得補償を行うということなので、その目的や効果があいまいになるのではないか、と指摘されていました。規模拡大をして生産効率を上げていき、生産量を増やしていこうとする農家にも減反制度は適用されてくるということです。(つづく)