通信くさぶえ 1001号

気温が高い10月になりそうです。

 台風16号は東よりの進路になったため、本州には上陸せず、大きな災害は起こさずに通り過ぎていき、ホッとしました。台風が通過した後は、10月とは思えないような陽射しとなりました。沖縄や九州から東北の広い範囲で気温の高い日が続きそうで、気象庁から「高温に関する早期天候情報」が発表されました。

 秋の深まりはゆっくりとなりそうですが、これまで天候不順や気温の低い日が多く、秋冬野菜の生育が遅かったので、これからの生育に期待したいと思います。

今週から長ネギは「なべちゃん」をお届けさせていただきます。

 長ネギは、これまでお届けしてきた「ホワイトスター」が終わりに近づき、小さめのものが残る程度になりました。今週からは「なべちゃん」をお届けさせていただきます。

 くさぶえ農園のある長野県の東信地方や群馬県には昔から下仁田ネギという美味しいネギがあります。加熱すると、とても美味しいネギですが、生では辛味が強くて食べにくいネギです。

 「なべちゃん」は、この下仁田ネギといわゆる普通の長ネギの「根深一本」を交雑した品種で、火を通しても、生でも美味しく、両方の良さを取り込んだ、いいとこ取りの長ネギです。しっかりとした旨味があり、美味しいネギだと思います。色々な料理に使ってみてください。

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冬のハウスの準備を進めています。

 キュウリを栽培していたハウスでは、キュウリを片付けて、太陽熱養生処理を行っています。トマトもそろそろ終了となって、こちらもトマトを片付けて冬の畑の準備をしていきます。今年はコロナワクチン接種もあり、冬のハウスの準備が遅れ気味なので、これから急ピッチで進めていく予定です。

 ハウスの冬の準備では、出来るだけ太陽熱養生処理を行うようにしています。元肥を施用してから透明なビニルシートで覆い、適度な水分と温度を保ちながら養生します。ハウスを閉めきると、この時期でもかなりの高温になります。地温は40~50℃にも上がり、放線菌・納豆菌・酵母菌などの有用な微生物を殖やすことで有害な微生物の勢力を抑え込むという効果があります。また、雑草の種子も温度が上がって死滅してしまいます。この過程で、アルコール発酵が土の中で行われ、それにより大量の二酸化炭素が放出されると、土中に間隙を作っていきます。この作用がビニルシートで覆われているため、土中深くへと広がっていき、固い耕盤も壊すことが出来るそうです。出来てきた隙間を基に、水溶性の炭水化物や微生物、土壌動物の働きによって、土の団粒構造が作られていきます。微生物たちの力を使って、畑を耕していきます。

 今年は酵母菌を培養して散布して、太陽熱養生処理を行っていますので、その効果に期待しています。

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