通信くさぶえ 939号

雨の合間を縫って太陽熱養生処理を行いました。

 雨が多く、野菜に病気が広がりつつあります。農作業もなかなか捗りません。雨の合間を縫って、ゴボウやニンジンなどの太陽熱養生処理を進めています。

 先日、空模様を伺いながら、ニンジンの畑に肥料を播き、透明マルチを張っていきました。なんとか作業を無事終えた時にはホッとしました。

 毎年紹介していますが、太陽熱養生処理は有機農業には欠かせない技術だと思います。この処理は、元肥を施用してから透明なビニルマルチを張って、適度な水分と温度を保ちながら20~30日程おくというやり方です。

 地温は40~50℃にも上がり、放線菌・納豆菌・酵母菌などの有用な微生物を殖やすことで有害な微生物の勢力を抑え込むという効果があります。また、雑草の種子も温度が上がって死滅してしまいます。

 この過程で、アルコール発酵が土の中で行われ、それにより大量の二酸化炭素が放出されると、土中に間隙を作っていきます。この作用がマルチで覆われているため、土中深くへと広がっていき、固い耕盤も壊すことが出来るそうです。出来てきた隙間を基に、水溶性の炭水化物や微生物、土壌動物の働きによって、土の団粒構造が作られていきます。微生物たちの力を使って、畑を耕していくのです。

 この処理後、マルチをはがしたところにニンジンの種子を播いたり、キャベツなどの苗を定植したりしていきます。これから秋冬の葉菜類やキャベツ、白菜、大根などの畑にも太陽熱養生処理を行っていくのですが、雨の影響で作業が遅れていきそうです。なんとか作業を間に合わせて豊作を期待したいものです。

news939

旬をおいしく  ビーツ

 今年もビーツを作りました。ビーツは「飲む輸血」と言われるほどミネラルや糖質が豊富に含まれているそうです。ビーツは、一般的には丸のまま、ひたひたの水に塩少々を入れて、柔らかくなるまで10~25分茹でますが、ビーツ独特の土臭い香りが苦手な場合には、ピーラーなどで皮を剥いて輪切りにしたものを茹でると、火の通りも早いです。色が少し落ちますが、香りも落ち着くと思います。

 ボルシチやグリルなどが一般的な食べ方かと思いますが、茹でたビーツを食べやすい大きさに切って、レタスなどのサラダに散らして、マヨネーズやドレッシングで和えると美味しいです。生のビーツを細い千切りにして、軽く塩でもんでおき、そのまま食べたり、サラダに散らしても美味しかったです。独特の香りがあるので、マヨネーズやチーズなどの味の濃いものと合わせると面白いと思います。また、ビーツの葉を短めに刻んで竹輪と一緒にさっと炒めて、塩コショウで味付けしたら美味しかったですよ。

「シャキット」キュウリもとれ始めました!

 イボイボの強い四葉キュウリ系の「シャキット」もとれ始めています。生でも勿論美味しいですが、普通のキュウリよりも水分が少なめで、漬け物にするととても美味しいです。普通のキュウリとの味の違いをお楽しみください。天候不順で光合成が足りてなくて、曲がったキュウリがいつもよりも混じりますが、ご了承ください。