通信くさぶえ 918号

今年の天気はいつも以上に先を読むのが難しそうです。

 先週後半は暖かくなり、3月下旬から4月上旬の陽気となりました。これだけ暖かいと種子播きを始めたくなりますが、今週は強い寒気が流れ込んできて寒くなりそうで、積雪も予想されています。しかし、次の週末には再び春の暖かさが戻ってきそうで、寒暖差が大きい1週間となりそうです。

 ハウスでは、これまでの暖かさの影響で、小松菜やホーレンソウの生育がいつもよりも早いようです。10月半ば以降に播種して、草丈10cmくらいの小さいままで冬越ししてきたものが大きく育ってきました。いつもは3月半ばを過ぎてから収穫しているので、1ヶ月近く生育が早まっている感じです。ただ、ホーレンソウはハウスの内側の方と外側の方とでは生育に大きな差が出ているので、収穫期間が長くとれるのではないかと予想しています。いつもは3月後半を過ぎると一気に花芽を付けてきてしまうので収穫出来なくなるのですが、今年は無駄なく収穫出来ればと期待しています。

 お届けする野菜が常にあるように、少しずつずらしながら栽培しているのですが、これだけ例年と生育が違ってくると、この後どうなっていくのか、少し心配になってきます。今年の天気はいつも以上に先を読むのが難しそうです。

news918

「ねずみ大根」をお届けさせていただきます。

 今週は、「ねずみ大根」と「紅くるり大根」をセットでお届けさせていただきます。「ねずみ大根」は、信州の伝統野菜にも認定されている、長野県埴科郡坂城町の地大根です。大根の首の部分よりも下の方が膨れていて、根の先端はねずみの尻尾のように見えることから、その名が付いたそうです。肉質は緻密で硬くて、汁が少なく、舌触りが良好で、地元では漬け物にしたり、大根おろしにしたり、そばの薬味や「おしぼりうどん」用の大根として親しまれています。

 お蕎麦屋さんから頼まれて作り始めたのですが、この「ねずみ大根」は今まで作ったことのある辛味大根に比べると、辛味はそれ程強くなく、風味と甘味が感じられて、とても美味しいと思いました。貯蔵性も良いので、宅配のお客様にもお届けさせていただいています。

 播種時期を早めるなど試行錯誤してきた結果、昨年は初めて大きな大根に育ってくれましたが、大きく育つととても辛味が強くなりました。今年は間引きが遅れたため、小さいものが多いのですが、小さいものの方が辛味がそれ程強くないようです。

 おろした「ねずみ大根」を焼いたお肉にのせたり、焼き魚と一緒に食べたりしても美味しいです。熱々のご飯におろした「ねずみ大根」をのせて、しょう油をかけて食べると絶品ですよ。生で食べると辛味がありますが、火を通すと、辛味が消えて大根の甘味が出てきます。天ぷらにしたり、キンピラにしたりすると、辛味の苦手な方でも美味しく食べられると思います。