通信くさぶえ 506号

文部科学省が放射線量のモニタリング調査の結果を公表しました。

 11月11日、文部科学省は東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の拡散状況を調査した、航空機による放射線量のモニタリング調査結果を公表しました。今回、新たに長野県を含む6県分を追加して、計18都県の調査結果が公表されたことになります。長野県についてみると、東信地域の県境に位置する軽井沢町、御代田町、佐久市、佐久穂町の一部に空間放射線量率で0.2~0.5μSv/h、地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計で1 万~30 万 Bq/m2を示す地域があります。詳しくは、長野県公式ホームページの 放射線等に関する情報をご覧ください。

 テレビや新聞でこれらの調査結果の報道から佐久市の名を聞いて、くさぶえ農園の汚染状況を心配されるお客様が多かったのではないかと思います。

 下の画像は、公表された地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計についての分布図から東信地域を切り抜いたものです。この図にくさぶえ農園の位置を落としてみました。

 画像右側の白い部分は群馬県と山梨県です。長野県内では、群馬県境の部分(濃い青~濃い茶色)が1 万~30 万 Bq/m2を示す地域です。それ以外の地域は1 万Bq/m2以下(薄茶色)が大部分を占めていて、くさぶえ農園はその中に位置しています。因みに、くさぶえ農園から群馬県境までは直線距離で約30㎞あります。

 長野県ではこの調査結果を受けて、「これまで県が測定してきた結果を見れば、県内各地の空間放射線量は、通常の生活空間では平常値の範囲内にあり、また水道水も放射性物質が検出されていないことから、全体的に見て健康に影響を及ぼす状況ではないと思われる。」と評価しています。14日に公表された、県東部県境付近の空間放射線量の測定結果でも、「全41地点の測定値は、0.07~0.19μSv/hで健康に影響がない値であることが確認された。」としています。

 また、佐久市内の市役所や小学校における空間放射線量の測定結果では0.01~0.06μSv/hの範囲内であり、この地域の野菜や農地からは放射性セシウムが不検出となっています。

 これらの結果から、くさぶえ農園の放射能汚染については心配のないものと考えています。

 今回の調査結果の発表には複雑な思いを抱いています。幸い、くさぶえ農園は汚染状況は心配のない範囲ではありましたが、同じ県内でも場所によっては高い数値の出たところもあり、そこで農作物を栽培している農家の方もいるかもしれません。自分だけ「ああ、良かった。安心してください。」とはとても簡単に言える状況ではありません。そもそも長期間の放射能の影響についてはどれぐらいの数値なら安全なのか、様々な見解があります。末永く、誰もが安心して、安全な食べ物を食べられるように切に願います。そのために自分に出来ることは何なのか、考え、行動していきたいと思っています。

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