通信くさぶえ 420号

収穫作業に追われています。

 前回の通信で、まだまだ収穫する野菜が畑にたくさんあることを書きました。何だか通信を書いていて、だんだん焦ってきてしまうぐらいでしたが、収穫作業も徐々に進んできています。今年の収穫作業が遅れているのは、キャベツや白菜などを貯蔵するためのハウスを建てていたからです。

 昨年、長野市まで何往復もして幅4.5m×長さ60mのハウスを解体して運んできました。病気で規模を縮小する花き農家さんが畑から抜いて運べばタダであげるというのです。ありがたい話です。今年になって、ハウスを建てる計画はしていたものの、なかなか実行出来ずにいましたが、何とか間に合いそうです。

 ハウスを建てることが出来た要因はもう一つあります。11月が暖かかったからです。雪も少々降ったり、最低気温もそれなりでに低い日もあったりもしましたが、暖かい日が多く、おかげで畑の野菜はまだ大丈夫そうです。温暖化の影響なのか、エルニーニョの影響なのか、気持ちは複雑ですが、これから遅れを取り戻せそうです。

カブに病気が出てしまいました。

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肥沃な畑の土が流されてしまい、川底のようになってしまいました。

 少し前の話になりますが、8月半ばの大雨の際に、雨水が隣の畑からくさぶえ農園の畑の一部に流れ込み、畑の土をえぐり取っていきました。こんな被害は初めてで、慌てて隣の畑との間に溝を掘って対処しました。

 その場所には今年は作付けをする予定はなかったのですが、別の畑で播いたカブの発芽率が悪そうだったので、急きょカブを播くことになりました。生育初期から「おや、おかしいな?」と思うところもあったのですが、カブが大きくなってくると、主根や支根にこぶが形成されている株が目立ち、カブ根こぶ病に感染していることが分かりました。

 カブ根こぶ病は、糸状菌による土壌伝染病です。この菌の休眠胞子が混入した土壌の移動は、最大の伝染経路で、農作業に使った農機具や作業者の履き物に付着した土壌の移動により、圃場間・圃場内の汚染拡大が起きるそうです。また、雨水や風による土壌の移動、収穫残さや収穫物の洗浄廃水などでも汚染が拡大します。

 はっきりと断定は出来ませんが、恐らく隣の畑から流れ込んだ雨水を介して、カブ根こぶ病の休眠胞子や遊走子が運ばれてきたのではないか、と考えられます。大根以外のアブラナ科全般に発生するようなので、来季はアブラナ科の野菜を作付けない、堆肥を入れて有用微生物を増やして病原菌を抑え込む、などの手立てを講じていきたいと思います。

 初めての事態に驚きましたが、カブの中にも病気に耐性のあるものとないものがあるようで、発病していないカブが全体の4分の1ほどはあり、それだけを収穫しました。これからお届けするカブには、その畑で病気に感染しなかったカブも入ります。

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カブ根こぶ病に感染したカブです。