通信くさぶえ 450号

まだまだ雨が降りません・・・

今年の夏は、1898年に統計を開始してから一番熱い夏だったそうです。気象庁は、今夏の高温を30年に1度程度しか発生しないと定義される「異常気象」と位置付け、次のような複合要因を指摘しています。

 ①春まで継続したエルニーニョ現象終了後、ラニーニャ現象が加わって北半球の気温が上昇。②7月中旬以降、偏西風の吹く位置が北に偏った上、しばしば蛇行したため、勢力の強い太平洋高気圧が北に強く張り出した。③太平洋高気圧の上層を、大陸から張り出したチベット高気圧が重なるように覆った。④涼しいオホーツク海高気圧がほとんど発生せず、寒気の影響を受けなかった。

 猛暑の影響で農作物は出荷量が減り、キャベツやレタス、ネギ、トマト、ジャガイモなどの価格が平年比を上回っているそうです。全国農業新聞にたまたま佐久地方の状況が載っていましたが、「キャベツは多雨後の高温で生育が遅れ、小玉傾向となり、白菜は葉先が枯れる生理障害が発生。レタスはあまりの高温で花芽分化を抑えられない」とありました。

 くさぶえ農園でも、お盆以降ほんの少ししか雨が降らず、キャベツや白菜の苗を定植した畑や、大根やカブの種子を播いた畑に水やりをしています。画像はカブ畑ですが、左上に斜めにかん水ホースが見えます。連日の水やりのおかげでカブが発芽してきてホッとしています。それでも水は全然足りず、せめて夕立でも降ってくれないか、と空を見つめる日々が続いています。今週は台風9号が本州に上陸して待望の雨が降りそうですが、強風などの被害がないことを祈っています。

News450

 先週初めに肥料を保管している小屋の中でアシナガバチに首すじを刺されてしまいました。小屋の奥の壁に巣があるのに気付かずに近づいてしまいました。刺されて15分ほどしてから手足がかゆくなってきたため、病院に行き、点滴をして薬を処方してもらいました。3年前にアシナガバチに刺された時よりも、かゆみが強く出て、今回は首すじを刺されたことや前の時よりも大きいハチ(フタモンアシナガバチ?)だったこともありますが、抗原抗体反応の怖さを改めて感じました。次に刺されたら、様子を見るまでもなく、すぐに病院に来なさいと言われました。今年はハチ達も猛暑の影響で活発に活動しているようで、連日ハチ刺されの患者がやってくるとお医者さんが言っていました。

 猛暑の影響がいろいろなところに出てきていますが、農園ではニンジンの被害が大きいです。8、9月に収穫予定のニンジンが黒葉枯病に罹ってしまいました。糸状菌によるもので、葉・葉柄・茎に発生して黒褐色の病班となって、発病葉は葉縁が上側に巻き、病斑拡大とともに枯死してしまいます。そのため根の肥大は悪くなります。肥切れ時や降雨と乾燥を繰り返す時期に発生しやすいそうで、梅雨の大雨とその後の猛暑で大発生してしまったようです。ニンジンは毎年4作栽培しているのですが、これで3作めまでがほとんど収穫出来ない事態になりそうです。定番野菜として人気の高いニンジンをなかなかお届け出来ずに申し訳ありません。

 秋冬用の4作めのニンジンは今までのところ順調に生育をしています。せめてこのニンジンだけでも豊作になることを願っています。