通信くさぶえ 430号

育苗用の培土を作り始めました!

 気が付けば、もう2月も終わりに近づいてきました。3月に入れば、10日頃から育苗ハウスの中で種まきも始まります。新しいシーズンがいよいよ始まります。その準備として、育苗用の培土を作り始めました。くさぶえ農園では1年間におよそ1500リッターの培土を使っています(すごい量です!)。1年分の培土を春に作っておくのですが、今回はとりあえず300リッターだけ作りました。

 今までの培土は、ピートモスやバーミキュライトなどの資材を使いながら、いろいろと試行錯誤を繰り返してきましたが、今年は新しい培土作りに挑戦しています。

 それは、畑で行う施肥設計と同じ設計で苗の培土を調整することで、畑に定植された苗が新しい環境(畑)に違和感なく根を伸ばすことが出来るようにするという考え方です。今、勉強している、「有機栽培の野菜つくり -炭水化物優先、ミネラル優先の育て方」(小祝 政明著、農文協)を参考にしています。

 具体的には、培土用に用意した、畑の土と1年間寝かしておいた腐葉土の土壌分析をして、施肥設計を行います。畑の土と腐葉土を篩にかけて、そこに堆肥とアミノ酸肥料とミネラル肥料を混ぜます。混ぜた培土に水をかけて、およそ50%に水分を調整して、透明なビニールをかけて温度と水分を保ちます。途中2~3回切り返しながら、積算温度で900~1,000℃、およそ1ヶ月かけて完成させます。

 これを太陽熱養生処理と言い、以下のような効果が期待出来ます。

  ①培土全体に土壌団粒が発達する。
  ②培土全体に有用微生物が棲みついて、土壌病害虫を抑える力が強まる。
  ③ミネラル肥料も培土になじんで、より吸収されやすくなる。

 その結果、病害虫に強く、揃いの良い苗が出来上がるそうです。さて、上手くいくでしょうか?楽しみです。

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篩にかけた畑の土と腐葉土に、肥料を混ぜているところです。白く見えるのはミネラル肥料です。
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太陽熱養生処理をしているところです。培土の量にもよりますが、中心部は30~40℃にもなるそうです。

晩生の水菜をお届けします。

 今週からお届けする水菜は、「晩生白茎千筋京水菜」という品種です。これまでお届けしてきた、生でサラダにも出来る水菜と違って、この品種は鍋物や漬物などに向いています。この冬は、サラダ用の水菜として「早生千筋京水菜」を栽培しましたが、この時期になると葉の傷みが目立ってきます。「晩生白茎千筋京水菜」は耐寒性が強く、低温伸長性に優れているため、時期によって品種を使い分けています。

 品種によって生育が違う上に、味も違うし、料理法も違うというのも面白いですね。その違いも楽しんでいただけたら、と思います。