通信くさぶえ 394号

くさぶえ農園の土づくり ①

 くさぶえ農園では、昨年より㈱ジャパンバイオファームの小祝政明氏が提唱する有機栽培を取り入れてきました。今も勉強中ですが、その成果が野菜の出来から実感できるようになってきました。昨年は畑の一部に試していましたが、今年は畑全域に本格的に取り組み始めました。

 前号に少し書きましたが、今年のくさぶえ農園の土づくりについて書きたいと思います。少々難しい話もありますが、「こんなことをやっているんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

 土づくりを考える上で、次の3つのポイント、「土の物理性」、「土の生物性」、「土の化学性」をしっかりと捉えることが重要になってきます。以下に簡単にまとめてみます。

土の物理性 土壌の通気性、排水性、保水性など
土の生物性 土壌中の有機物を分解し、養分や土壌団粒をつくったり、土壌病害を抑制し、品質を向上させたりする土壌生物
土の化学性 化学的な成分(養分)やph、CECといった化学的要素

 そして土づくりでは、これらの優先順位をつけて考えることが重要となります。

  1. まず、作物の根が酸素を取り入れて(呼吸)、養分を吸収することが出来るように「土の物理性」を整える。
  2. その上で、土壌病虫害を出さないように多様な微生物を根付かせる、「土の生物性」を考える。
  3. さらに、土壌分析に基づいて化学的な成分(養分)を補う(「土の化学性」)。

 少し難しい話ですが、これらのことを踏まえて、くさぶえ農園では堆肥、有坂さんの平飼い養鶏の鶏糞、そしてミネラル資材などを畑に入れていきます。

 堆肥は地元にある市の堆肥センターで作られたものを使っています。地元の牛糞や鶏糞にオガクズやモミガラなどを混ぜて堆肥化したものです。地元で手に入るものを循環させていくことも大事だと考えています。堆肥を入れることで、主に「土の物理性」「土の生物性」の改善、維持が出来ると考えています。堆肥には、土壌団粒をつくる、土壌病害を抑える、肥料を供給する、肥料を保持するなどの働きがあり、土の総合的な力を高めることが期待できます。(つづく)

野菜に白い繊維が付いている場合があります。

 お届けしている野菜に白い繊維が絡まっている場合があります。これは霜よけにかけた不織布の繊維です。不織布は数年繰り返して使いますが、古くなり破れやすくなってきたので、新しいものを使い始めたところ、不織布の繊維が野菜に絡んでしまうケースが見られました。気づいたところは取り除くようにしているのですが、取りきれていないものもあるかもしれません。ご迷惑をおかけしますが、野菜を洗う際に注意してください。申し訳ありませんが、よろしくお願いします。