通信くさぶえ 385号

寒い日が続いています。

News385

 先週、雪がまとまって降り、また一面の銀世界になりました。寒さも厳しくなってきて、最低気温がマイナス12度を超える日も出てきて、冬本番となってきました。先週末はちょうど満月の時期と重なり、夜になると大きな丸い月が昇り、しんと冷え込んだ銀世界を淡く照らし出していました。照らし出された景色は、昼間よりも鮮明に見えるのでは、と思えるほどに美しいです。部屋の明かりを消して、部屋の窓から外を眺めていると、いつまでも飽きずに眺めてしまいます。農閑期の冬ならではの光景です。

食べ物の呼び方について・・・

 昨年の話になりますが、FMラジオを聞いていて、とてもいい話を聞きました。いつか通信で紹介したいなあ、と思っていたのですが、今回の通信でようやく紹介させていただきます。

 古くから日本では、同じ食べ物でもその食べ物のとれた時期や状態などにより、「初物」、「旬」、「なごり」と呼び方を区別して使い分けていたそうです。野菜に関しても同じことが言えそうで、いろいろと考えさせられました。

 種を播いて育ててきた野菜が大きくなり、収穫時期を迎えて最初にとれ始めたものが「初物」です。まだまだ収穫量も少なく、味もこれからピークを迎えるといった感じですが、ようやく迎えた収穫期を喜びます。

 そして、収穫の最盛期を迎えて、その野菜の「旬」となります。収穫量も増え、味ものってきて、その野菜の美味しさを存分に楽しむことが出来ます。

 次第に生育後期になっていき、収穫量も減り、味も次第に落ちていきますが、その野菜を「なごり」と呼んで最後まで楽しみます。

 こういった呼び方とは別に、漬物にして長期間保存しながら食べるものは「時知らず」と呼んだそうです。とても素敵な日本語だと思いました。

 現在は、スーパーなどで野菜を買うことが一般的になり、「旬」の状態のものだけが並ぶようになりました。しかし、野菜を育てていると「旬」の時期はとても短いことがよく分かります。そして、「初物」を味わう喜びや、「なごり」を楽しむことがとても大切なことであることに気付かされます。これらの言葉は、食べ物の育てながら大切に食べてきた日本人の生活から生まれてきたものなんだ、と思いました。

 くさぶえ農園では、「旬」の野菜だけでなく、「初物」や「なごり」のもの、そして「時知らず」もお届けしながら、いろいろな顔を持つ野菜を味わっていただけたら、考えています。

野沢菜漬けについて・・・

 野沢菜漬けは、酸味が少しずつ出てきました。まだそのまま食べても美味しいですが、古漬けになってきた野沢菜漬けは甘辛く煮て食べるとまた一味違った味わいが楽しめます。