通信くさぶえ 355号

今年のジャガイモ、ニンジンはどうでしょうか?

News355
ここまで順調に生育しているジャガイモ畑です。除草と土寄せを兼ねて管理機で中耕しました。

 ジャガイモは、昨年と一昨年と2年続けて長雨の影響を受けて、疫病を蔓延させてしまい大幅な減収となってしまいました。今年はどうしてもジャガイモを失敗したくないと決意して望んでいます。今年は肥料を控えめにして栽培することで、病気が発生しにくくなることを期待しています。また、これからジャガイモの花が咲きますが、その頃に葉が真っ白になるぐらいにかき殻石灰をまきたいと考えています。石灰防除は病気に対してかなりの効果があるようで試してみようと思います。

 また、ニンジンも今年は力を入れていきたいものの一つですが、4月に播いたニンジンは播種直後の雨で地表面が固まってしまい発芽が悪くて失敗してしまいました。でも、初めて試みたミニニンジンはとても良く出来上がりました(今、お届けしているものです!)。また、5月に播いた2作目のニンジンは播種量を増やしたことが功を奏し、発芽は良好です。

 いろいろ試行錯誤しながら、安定してジャガイモやニンジンが収穫出来るようにしていきたいと思っています。

有坂さんから聞きました。 飼料価格の高騰について

 有坂さんの卵が再開しました。久しぶりにいただく味は格別ではないでしょうか。そんな折り、有坂さんから今の日本の養鶏の状況について伺うことが出来ました。

 知っての通り、現在穀物価格が高騰しており、養鶏の飼料用のトウモロコシなども例外ではありません。農協価格では1年前の倍近くにまで上がっているんじゃないか、ということでした。飼料価格の高騰の影響は、大規模に養鶏をしているところほど大きいそうで、数千羽を飼育するような大規模養鶏農家で廃業に至るところも出てきたということです。「このまま行けば、卵は貴重品で風邪をひいた時にしか口に出来ない、なんて一昔前に戻っちまうわ。」と言った、有坂さんの冗談も冗談でなくなる日が来るかもしれません。

 それほど、この飼料価格の高騰には構造的な問題があり、深刻なものであると思います。問題の一つとして、穀物を食用でなく燃料に使うバイオ燃料の製造があります。飼料用トウモロコシがバイオ燃料用にまわされることで、飼料用穀物が不足し、穀物価格が上昇してしまいます。またアメリカでは、燃料用に高く買ってくれるトウモロコシを作付けするために、今まで栽培していた日本に輸出用の遺伝子組み換えでない大豆の作付けを減らしていく動きもあるようです。その背景には、穀物の生産・加工・流通を支配している多国籍企業の存在や、食料を投機の対象としている現状の問題があるように思います。

 ローマで開かれた「食料安全保障サミット」では、このバイオ燃料問題は食糧危機の一要因とされ、サミットで解決の方向を打ち出すことが求められていましたが、米国やブラジルなど推進国とその他の批判国の対立が解消されず、宣言では「徹底的研究」と「国際対話の促進」の文言にとどまりました。

 一朝一夕には解決できない問題ですが、日本に出来ることの一つとして「食糧の自給」があるのではないでしょうか。飼料用作物も含めて、自国で生産できるものは生産する、という基本に立った日本農業の見直しが必要だと思います。安全な国産野菜や卵を食べるためにどうしたらいいのか、考えていきたいと思います。